色々あるサーバーの種類は何が違うの? サーバー種別の解説

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初心者向けのサーバーの種類解説

初心者が混乱しがちなポイントの一つに「サーバー」といっても、様々な名称のサーバーが存在している点があります。共有サーバーとクラウドサーバーや、webサーバー、アプリケーションサーバー、DBサーバー、他にも色々なサーバーがあります。

WordPressでブログを始めるために、「レンタルサーバー」を借りようとした場合、どのサーバーを借りれば良いのでしょうか? メールも使いたい場合には追加でメールサーバーも必要なのでしょうか? それぞれのサーバーは何が違うのでしょうか?

この記事では、様々なサーバーの違いについて解説します。

そもそもサーバーとは何か?

サーバーとは、ネットワークに接続され、他のコンピュータやスマートフォン(クライアント)からの要求に応じて、特定のサービスや機能を提供するコンピュータシステムの事です。インターネット上に公開されているものもあれば、学校や企業内ネットワーク(イントラネット)など、特定の範囲でのみ利用されるものもあります。提供するサービスの種類によって、Webサーバー、メールサーバー、データベースサーバーなど、様々な種類が存在します。

具体的には、webページを公開する事が目的のサーバーならば、webサーバーと呼ばれます。メールの送受信が目的のサーバーならばメールサーバーと呼ばれます。また、一つのサーバーが様々な目的のために提供される場合もあります。

なぜサーバーは様々な種類があるのか?

なぜ様々な用途毎にサーバーが存在しているのでしょうか? 一つのサーバーで様々な事が出来た方が、便利に思えるかもしれませんが、パフォーマンスとセキュリティ、コストの観点からサーバーは目的や用途毎に分かれている事が多くあります。

特定の機能に特化して構築されたサーバーは、そうでは無い「何でも出来るサーバー」に比べてパフォーマンスに勝る事が多いです。これは、サーバーを特定の用途専用にチューニングを行う事が可能だからです。

また、スケールアップやメンテナンスのしやすさも専用サーバーが勝ります。メールサーバーであれば、メールの量が増えた時には、メールサーバーだけを強化する事が可能ですが、様々な用途向けのサーバーの機能の一部としてメール機能が提供されている場合には、メール機能だけを強化する事はできません。 結果的に全ての機能を一斉に強化する必要があり、スケールアップにかかるコストが割高になる場合があります。

サーバーがトラブルによって停止してしまった場合に、全ての機能が停止してしまう事を避けるために、リスクヘッジとして機能が分割されている場合もあります。

何でも出来る=しても良い?

そのサーバーが想定している用途外の利用方法を行うと、思いがけない高負荷が発生してしまい、最悪の場合にはサーバーのサービス全体が停止してしまう可能性もあります。

そのため、サーバーの管理会社によってレンタルサーバーで仮想通貨をマイニングする事など、想定用途外の利用方法は、利用規約によって禁止されている事がほとんどです。

サーバーをwebサイトの公開以外の、特殊な用途に用いる事を考えて居る場合には、契約する前にサーバーの利用規約はしっかりと確認しておく必要があります。

サーバーのサービス形態などによる分類

サーバーで何が出来るかでは無く、どのようにそのサーバーが提供されているかに着目した分類による呼び名です。

共有サーバー

複数人の利用者が、1台のサーバーを皆で共有して利用するサービス形態のサーバーです。

非常に高性能なサーバーでも、コストを利用者の頭数で割る事になるため、格安で利用できるメリットがあります。

しかし複数人で同じサーバーを利用するため、自分以外の他の利用者に影響を与えてしまうため、サーバーの設定変更が出来ないデメリットがある事が多いです。

webサイトの公開や、メールの送受信などに用いられる事が一般的です。

占有サーバー

一人の利用者(個人または、法人)が、1台のサーバーを占有して利用するサービス形態のサーバーです。

高性能なサーバーを用意する場合、そのコストも一人で全て負担しなければならないため、共有サーバーに比べて非常に高額な請求になる事が多いです。

最大のメリットは、他のユーザーの事を考える必要が無いため、カスタマイズの自由度が非常に高い事が特徴です。

クラウドサーバー

クラウド技術を活用し、複数の物理サーバー上で仮想マシンを動作させる仕組みのことを指します。

通常、物理サーバー群を統合した基盤の上で仮想マシンが稼働し、高いスケーラビリティと柔軟なリソース管理が特徴です。

また、一般的な共有サーバーとは異なり、利用状況に応じた従量課金制を採用するサービスが多く見られます。

代表的なクラウドサービスとして、Amazon Web Services(AWS) などが挙げられます。

仮想サーバー(VPS / バーチャルプライベートサーバー)

VPS(仮想専用サーバー) とは、1台の物理サーバーを仮想化し、その上に複数の仮想サーバーを構築する方式です。

これにより、共有サーバーの低コスト性と、専用サーバーの自由なカスタマイズ性を両立できます。

VPSは、仮想化技術によって各ユーザーに独立した環境を提供し、リソースをある程度専有できる点が特徴です。

物理サーバー(ベアメタルサーバー)

クラウドサーバーと対比して、仮想化されていない物理的に存在するサーバー全般を「物理サーバー」と呼びます。

「ベアメタルサーバー」という言葉も同様の文脈で使われることが多いですが、より厳密には「仮想化されていない状態で、1ユーザーが専有する物理サーバー」を指します。

ベアメタルサーバーは物理サーバーの一種ですが、すべての物理サーバーがベアメタルサーバーであるとは限りません。

自宅サーバー

個人が自宅で運用する物理サーバーを指します。

本番サーバー / 検証サーバー(ベリファイサーバー)

実際に一般ユーザーがアクセスするサーバーを「本番サーバー」と呼びます。一方、Webサイトやシステムの開発者が開発や検証を行うためのサーバーを「検証サーバー(ベリファイサーバー)」と呼びます。

検証サーバーには開発者など特定の関係者のみがアクセス可能で、一般ユーザーは通常アクセスできません。

開発や検証専用のサーバーを用意することで、本番サーバーに影響を与えることなく開発を行うことができます。

サーバーの機能による分類

webサーバー

ネットワーク上でwebサイトを公開するために構築されたサーバーです。

後述のメールサーバーや、データベースサーバー、アプリケーションサーバー等の機能も併せ持っている場合が多いです。その場合でもwebサーバーや、単にサーバーと呼ばれる事が一般的です。

mixhostでは、mixhostのレンタルサーバーも、基本的には全てメールやデータベースなどの機能を併せ持ち、利用する事ができます。

メールサーバー

メールの送受信を行うためのサーバーです。

メールサーバー以外のサーバーでも、メールを送受信する機能を有している場合が多いですが、メールサーバーと呼ばれるサーバーは、メール専用に調整されており、メール機能以外を持たないことが多いです。

データベースサーバー(DBサーバー)

リレーショナルデータベースを保有し、データの読み書きを頻繁に行うサーバーです。

データの読み書きが頻繁におこなれる事が多く、また負荷が高くなりやすい等の理由から、スケールアップしやすいようにデータベース専用に構築される場合があります。また、住所や氏名などの個人情報がデータベースに保存される場合には、セキュリティに特別注意を払う必要もあります。

アプリケーションサーバー(APPサーバー)

アプリケーションサーバーとは、Perl、PHP、Python などのプログラムを実行できる環境が構築されたサーバーで、主に動的なwebサイトの公開に利用されます。

アプリケーションサーバーをwebサーバーと分離して運用する主な理由は、高負荷時のスケールアップの容易さや、メンテナンスのしやすさにあります。ただし、アクセス数の少ない小規模なwebサイトでは、アプリケーションサーバーを別途構築するよりも、すべての機能を 1 台のサーバーに集約した方がコストを抑えられる場合が多いです。そのため、ほとんどの共有サーバーでは、webサーバーがアプリケーションサーバーの機能を兼ねています。

ストレージサーバー(ファイルサーバー)

ファイルを保存する事に特化したサーバーです。

他のサーバーに比べてディスク(空き領域)の追加が簡単にできるように設計されていたり、自動バックアップ機能が備わっていたり、物理的な堅牢さを持っている事があります。

ストリーミングサーバー(メディアサーバー)

動画の配信に特化したサーバーです。

動画の配信は、ネットワークの帯域占有率が大きく、サーバーへの負荷も高くなる事が多いため、専用にチューニングされたサーバーが用意される事が一般的です。

エッジサーバー(CDNサーバー)

エッジサーバーは、Webサイトのデータや動画、画像などのコンテンツをユーザーに素早く届けるために利用されるサーバーです。

例えば、Netflixは世界中で動画配信サービスを展開しています。そのため、世界中の様々な国や地域にエッジサーバーを設定する事で、一つのサーバーに負荷が極端に集中する事を避けて、どの国からアクセスしても快適にサービスが利用する事ができます。

著名なサービスの例としては、Cloudflare のCDNエッジサーバーなどがあります。

キャッシュサーバー

キャッシュサーバーは、データを一時的に保存(キャッシュ)する機能を持ち、キャッシュされたデータへのリクエストがあった場合、キャッシュデータを返すことでトラフィックを削減し、高速に応答できます。

主にサーバーの負荷分散、高速化、通信帯域の節約を目的として設置されます。

プロキシサーバー(Proxyサーバー)

プロキシサーバーは、ユーザーとインターネットとの通信を仲介することで、キャッシュ提供やIPアドレスの秘匿などの機能を提供します。

企業や学校、公共施設、ホテル、フリーWi-Fiなどで導入されることがあります。

また、特定のWebサイトへのアクセスをブロックするフィルタリング機能や、負荷分散機能も備えている場合があります。

ネームサーバー(DNSサーバー)

ネームサーバーは、ドメイン名をIPアドレスに変換する役割を持つサーバーです。

プリントサーバー

プリントサーバーは、プリンターの管理・制御を行うサーバーです。

家庭用プリンターの場合、パソコンとプリンターをUSBケーブルなどで直接接続すれば問題ありませんが、会社や学校など多くの人がプリンターを共有する場合には不便です。

プリントサーバーを使用することで、複数台のパソコンからプリンターを共有できます。

DHCPサーバー

DHCPサーバーは、個々の機器にIPアドレスなどのネットワーク設定を自動的に割り当てる機能を提供しています。 通常はルーターに内蔵されています。

DHCPサーバーによって、IPアドレスが機器に自動的に割り当てられ、ネットワークに接続できます。

VPNサーバー

VPNサーバーは、VPN(バーチャルプライベートネットワーク)を構築するための機能を提供するサーバーです。

VPNを利用することで、自宅からインターネットを通じて、会社や学校のネットワークに接続することが可能になります。

FTPサーバー

FTPサーバーは、FTP(ファイル転送プロトコル)を使用してファイルのアップロードやダウンロードを行うことができるサーバーです。

多くの共有サーバーやWebサーバーでは、FTP機能が提供されています。あえて「FTPサーバー」という言葉を使用する場合、FTP機能以外が制限されたサーバーであることが多いです。

マイニングサーバー

仮想通貨のマイニングを主な目的に構築されたサーバーです。

バックアップサーバー

様々なデータのバックアップを保存するためのサーバーです。冗長性を確保するために、物理的な堅牢性が求められることもあります。

監視サーバー(Monitoringサーバー)

監視サーバーは、webサーバーなどが正常に稼働しているかを監視するためのサーバーです。

サーバーにトラブルが発生した場合、異常の通知をサーバー管理者に送信します。

ゲームサーバー

ゲームサーバーは、オンラインで複数人がゲームをプレイするために必要となるサーバーです。

ゲームによって要求されるサーバースペックが異なり、特に高負荷になることがあります。

一部のゲームでは、PCをサーバーとして利用するためのプログラムが付随している場合もあります。

レンダリングサーバー

レンダリングサーバーは、3DCGのレンダリング(書き出し)を高速化するために利用されます。

光や物理法則などを高精度でシミュレーションするためには、通常のパソコンでは非常に長時間を要します。

そのため、レンダリングに最適化された高性能コンピュータを使用することで、レンダリング時間が短縮できます。

計算サーバー

計算サーバーは、通常のパソコンでは非常に長い時間がかかるような計算を、代わりに行うコンピュータです。

また、通常のパソコンでは処理できない巨大な数や、高精度な計算を行うことができる特徴もあります。

まとめ

サーバーには様々な種類があり、それぞれの目的に合わせてチューニング(最適化)が行われています。

また、初心者が混乱しがちな点にサービス形態による分類と機能による分類が混在していることもあります。

「webサーバーとして利用するために、共有サーバーを契約した」など、一文に複数のサーバーという言葉が並ぶことも珍しくありません。

mixhostでは、主にwebサーバーとして提供されている共有レンタルサーバーの他に、専用クラウドサーバーもあります。自分が何をしたいのかによって、利用するサーバーを選択することが重要です。